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ツムラによる養命酒製造の買収と”くらすわ”売却について徹底解説

M&Aニュース

2026年2月、ツムラが養命酒製造の主力事業である「薬用養命酒」事業の買収を検討していることが報じられました。ツムラは「検討していることは事実」とコメントしており、正式決定ではないものの、具体的な協議段階に入っていることが確認されています。

一方、養命酒製造は上場廃止を視野に入れた非公開化プロセスを進めており、その中で事業ポートフォリオの再編が検討されています。その一環として、飲食・物販事業である「くらすわ」の売却が選択肢として浮上している状況です。

本記事では、両社の事業規模、財務状況、戦略背景、想定シナジー、「くらすわ」売却の合理性、そして今後の展開について、具体的な数字を用いて整理します。


養命酒製造の企業概要と業績状況

養命酒製造は1602年創業とされる老舗企業で、主力商品は「薬用養命酒」です。健康志向商品の先駆的ブランドとして長い歴史を持ちます。

直近の連結業績(2025年3月期)は以下の水準です。

  • 売上高:約100億円(約100.1億円)
  • 営業利益:約1.28億円
  • 従業員数:約300名規模

売上の大半は薬用養命酒関連事業が占めていますが、近年は主力商品の販売減少により利益率が低下しています。営業利益は数年前の水準から大きく縮小しており、収益構造の再構築が課題となっています。


事業セグメント別の構造

養命酒製造の事業は大きく3つに分かれます。

① 薬用養命酒関連事業

国内売上:約35億円台
海外売上:約2億円台

依然として企業の中核事業であり、売上の中心です。ただし市場拡大余地は限定的であり、成長戦略が必要な局面にあります。

② 飲食・物販事業「くらすわ」

売上規模:約15億円規模
近年は増収傾向

長野県諏訪を中心に展開するレストラン・ベーカリー・物販施設で、ブランド価値向上を目的に展開されています。売上は拡大しているものの、医薬・健康酒事業とは事業性質が大きく異なります。

③ 不動産賃貸・太陽光発電事業

売上:約3〜4億円規模

安定収益源ではありますが、主力ではありません。


非公開化の背景

養命酒製造は2025年後半より非公開化を検討してきました。外部投資ファンドとの協議も行われましたが、優先交渉権は失効しています。

非公開化の背景には以下があります。

  • 収益性低下
  • 成長投資余地の確保
  • 上場維持コストの削減
  • 経営の自由度向上

非公開化後に主力事業を売却するスキームが検討され、その買い手候補としてツムラが浮上しました。


ツムラの企業規模と戦略

ツムラは医療用漢方製剤で国内トップクラスの企業です。

直近売上高:約1,300億円規模
営業利益:200億円前後

ツムラの強みは医療用漢方ですが、OTC(一般用医薬品)市場での存在感は限定的です。

今回の検討背景には以下の戦略があります。

  • OTC市場強化
  • 生薬原料の共同調達
  • ブランド多角化
  • 国内依存からの脱却

なぜ薬用養命酒なのか

薬用養命酒は400年以上の歴史を持ち、高いブランド認知があります。健康酒市場におけるポジションは独特であり、漢方と親和性が高い製品です。

ツムラが取得する場合、以下の効果が想定されます。

  • 販売チャネル拡張
  • 原料調達の効率化
  • OTCブランド力向上
  • 海外展開の可能性

買収金額について

報道では「数十億円規模」とされていますが、正式な金額は発表されていません。

養命酒製造の売上規模(約100億円)と利益水準(営業利益約1億円)を考慮すると、評価は利益倍率よりもブランド価値重視になる可能性があります。

仮にEBITDA倍率で評価すると、10〜15倍水準が一般的ですが、これはあくまで一般論であり、本件の確定条件ではありません。


「くらすわ」売却の合理性

ツムラの主力は医薬品・漢方製剤です。

くらすわ事業は

  • 飲食
  • 観光
  • 物販

であり、事業性質が大きく異なります。

そのため、

  • 事業集中
  • 投資回収効率改善
  • 経営資源の再配分

という観点から売却対象になる合理性があります。

売却が実行されれば、数十億円未満規模でのスピンオフが想定されますが、正式決定はありません。


業界への影響

この再編が実行されれば、

  • 漢方×健康酒の融合
  • OTC市場の再編加速
  • 中小薬酒メーカーへの波及
  • 地方ブランドの再評価

といった動きが予想されます。


まとめ

ツムラによる養命酒製造主力事業の買収検討は、漢方医薬と伝統的健康酒ブランドの融合という戦略的意義を持つ動きです。養命酒製造は売上約100億円規模ながら収益性が低下しており、非公開化による再編を進める局面にあります。その中でツムラが主力事業取得を検討していることは事実であり、原料調達やOTC市場強化という観点から一定の合理性があります。一方、「くらすわ」事業はツムラの中核事業との関連性が薄く、ポートフォリオ整理の一環として売却が検討される可能性があります。ただし、現時点では正式契約や確定金額は公表されておらず、最終的な取引条件は今後の公式発表を待つ必要があります。

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この記事を書いた人
MANDA編集部 森田

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