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M&Aグローバルキャピタルが中小企業診断士と連携——事業承継支援パートナー制度の全貌と意義を解説

M&Aと事業承継を支援する専門家連携のイメージ M&Aニュース

株式会社M&Aグローバルキャピタル(東京都港区、代表取締役:目等雄大)は、2026年8月10日より、全国の中小企業診断士を対象とした「事業承継・成長支援パートナー制度」の募集を開始すると発表しました。M&A仲介会社が中小企業診断士と組織的に連携し、経営課題の整理からPMI(Post Merger Integration=M&A成約後の統合プロセス)まで一気通貫で支援する体制を構築するという取り組みです。

M&Aグローバルキャピタルとはどのような会社か

同社は東京都港区を拠点とするM&A支援会社です。業界特化型の支援体制と、全国の提携先・譲受企業ネットワークを活かし、譲渡企業・譲受企業双方の事業シナジーと持続的な成長を重視したマッチングを強みとしています。今回の制度設計を見る限り、単なる「仲介手数料ビジネス」ではなく、成約後の企業価値向上まで射程に入れた支援モデルへのシフトを明確に打ち出しています。

なぜ今、中小企業診断士との連携なのか

ここがポイントです。中小企業診断士は、財務分析・経営改善・事業計画策定を専門とする国家資格者であり、多くの場合、中小企業の経営者と長期にわたる顧問関係を結んでいます。つまり、M&A仲介会社が最も苦手とする「経営者との早期接点と深い信頼関係」をすでに持っている存在です。

一方、中小企業診断士は経営診断の専門家であっても、M&Aの実務——企業評価、候補企業の探索、条件交渉、契約手続き——には精通していないケースが少なくありません。双方の専門性を組み合わせることで、経営者にとってより早い段階から事業承継を検討できる環境が生まれます。見落とされがちですが、この「早期着手」こそが事業承継を成功させる最大の要因のひとつです。

中小企業を取り巻く経営環境が厳しさを増すなか、後継者問題は多くの経営者にとって喫緊の課題となっています。事業承継の選択肢は親族内承継、役員・従業員承継、第三者承継(M&A)、単独での成長と複数ありますが、どの手段が最適かは企業の財務状況・事業の将来性・経営者の意向によって大きく異なります。そうした個別事情を丁寧に整理し、各承継形態の実現可能性と課題を比較できるのが、現場を深く知る中小企業診断士です。たとえば親族内承継を選択する場合には後継者育成の計画策定や経営改善計画が必要になり、役員・従業員承継ではMBO(経営陣買収)に伴う資金調達や株式移転スキームの整理が求められます。M&Aを選ぶ場合との違いを含めて複数の選択肢を並べて検討できる体制こそ、本制度の根幹にあります。

制度の4段階支援プロセスが示す設計思想

本制度の支援フローは4つのフェーズで構成されており、その順序自体に同社の思想が表れています。

  • 第1フェーズ:経営課題および事業承継課題の整理——中小企業診断士がヒアリング・経営診断を通じて現状を可視化し、複数の承継選択肢を比較します。M&Aは選択肢のひとつに過ぎません。
  • 第2フェーズ:成長戦略および事業承継方針の検討——事業計画・収益構造・後継者育成・企業価値向上を検討し、必要に応じて中小企業診断士が経営改善計画の策定を支援します。
  • 第3フェーズ:M&Aの実行支援——第三者承継としてM&Aを選択した場合のみ、同社が企業評価・候補企業探索・マッチング・条件交渉・クロージングまでを担います。
  • 第4フェーズ:成約後のPMIを見据えた支援——経営方針の共有、組織体制の整備、業務プロセスの見直しなど、成約後の統合支援を中小企業診断士と連携して行います。

注目すべきは、第3フェーズが最初ではなく第3番目に位置している点です。多くのM&A仲介では「まず仲介契約を締結してから」という順序になりがちですが、この制度は経営診断と方針整理を先行させ、M&Aが本当に最善かを検証してから実行フェーズに進む設計になっています。

「M&Aありきの提案はしない」を支える構造的な仕組み

同社が掲げる5つの運営原則のうち、最も重要なのが第1原則「M&Aありきで提案しない」です。この原則を実効性あるものにしているのが、制度設計そのものです。M&A仲介会社の収益は成約手数料に依存しており、成約しなければ報酬が発生しない報酬体系が一般的です。この構造がある限り、「M&Aを勧めない」という判断には経済的な逆インセンティブが働きます。今回の制度では、中小企業診断士が経営課題整理の段階から独立した立場で関与し、複数の選択肢を比較する仕組みを設けることで、このバイアスを構造的に緩和しようとしている点は評価できます。

さらに同社は、「中小企業診断士および顧客企業との合意なく、当社が顧客企業へ一方的に営業活動を行うことはない」と明示しています。中小企業診断士が長年築いてきた顧客との信頼関係を損なわないという姿勢は、パートナー制度が機能するための大前提です。

5つの運営原則が示す情報管理の徹底ぶり

本制度では、顧客企業の情報管理について明確なルールを定めています。企業名・財務情報・取引先情報・従業員情報などの秘密情報は、顧客企業から事前に承諾を得た範囲内でのみ共有するとされており、これは事業承継支援における情報漏洩リスクへの直接的な対処です。

また、同社が仲介者として譲渡企業・譲受企業双方に関与する場合(いわゆる「両手仲介」)には、その支援構造と利益相反の可能性を事前に説明するとも明記されています。利益相反の開示は、近年の中小M&A業界で求められる透明性の基準として重要です。弁護士・公認会計士・税理士・社会保険労務士など他の専門家と連携する際の役割分担と報酬も、事前に書面で明確化するとしています。

中小企業診断士が得られる具体的なサポートとは

制度に参画する中小企業診断士には、以下の支援が提供されます。M&Aの経験がない診断士でも参加できる設計になっており、間口を広げている点が特徴的です。

  • M&Aおよび事業承継に関する初期相談対応
  • 企業評価・M&Aの進行・情報管理に関する情報提供
  • 専任担当者による案件相談
  • 顧客企業との共同面談
  • M&A・利益相反・トラブル防止・PMIに関する研修
  • 共同セミナー・相談会の企画
  • 案件ごとの役割分担および支援方針の協議

特に「研修」と「共同セミナー」の提供は、診断士側のM&Aリテラシー向上にも直結します。顧問先から事業承継相談を受けた際に「専門外だから対応できない」という機会損失を減らせるだけでなく、クライアントへの付加価値提供にもつながります。

PMI支援を制度に組み込む意味——中小企業特有の課題に向き合う

M&Aにおいて成約後の統合プロセス(PMI)が支援の質を左右することは、経済産業省が公表する「中小PMIガイドライン」でも強調されており、実務上も広く認識されています。しかし現実には、仲介業者は成約と同時に関与を終えるケースが多いのも事実です。

中小企業のM&AにおけるPMIには、大企業案件とは異なる固有の難しさがあります。経営者個人の人脈や暗黙知に依存した営業活動のノウハウ承継、家族経営文化のもとで形成された職場風土の変容への対応、少人数組織ゆえに一人ひとりへの丁寧なコミュニケーションが不可欠な従業員の不安解消——こうした課題はいずれも、現場の経営実態を深く理解している中小企業診断士が最も得意とする支援領域と重なります。本制度がPMIを明示的に支援範囲に含め、M&A仲介と統合支援を同一の制度枠組みで設計したことで、支援の連続性が担保される仕組みになっています。

パートナー募集の対象と契約形態

募集対象は中小企業診断士の有資格者で、対応地域は全国です。契約形態は活動内容および案件に応じて個別協議となっており、一律の固定契約ではありません。役割・報酬も個別の活動または案件ごとに協議し、事前に書面で明確化するとされています。

申込はM&Aグローバルキャピタルが設置する応募フォームから行い、問い合わせ先はinfo@magc.co.jpです。現在の活動地域・専門領域・支援実績を確認したうえで連携内容を個別協議するため、形式的な登録制ではなく、実質的なマッチングを重視した選考プロセスになっています。

事業承継支援の専門家連携モデルが示す業界の変化

M&A仲介業界では近年、単独での仲介から多職種連携モデルへのシフトが進んでいます。大手・中堅のM&A仲介会社では弁護士・税理士との連携が一般的になりつつありますが、中小企業診断士を制度として体系的に組み込むケースは、筆者の知る限りまだ少ないのが現状です。

その背景には、事業承継の課題が「誰に売るか」という取引の問題だけでなく、「どのような経営体制を維持するか」「従業員の雇用をどう守るか」「企業文化をどう引き継ぐか」という経営の問題に深く踏み込んでいる現実があります。財務と法律だけでは解けない課題に対して、経営全般を診る中小企業診断士の専門性は不可欠です。

M&Aグローバルキャピタルの今回の取り組みは、こうした業界の変化を先取りするものとして位置づけられます。制度が実際にどれだけの診断士を集め、どのような案件を生み出すかは今後の展開次第ですが、後継者問題を抱える経営者が早期相談のハードルを下げられる環境を整えるという方向性は、事業承継ニーズが高まる中小企業市場において一定の合理性を持つアプローチといえるでしょう。

経営者が本制度を活用する前に確認すべきこと

この制度を利用する可能性がある中小企業経営者の立場から見ると、確認すべきポイントが3つあります。

第一に、自社の顧問中小企業診断士が本制度に参画しているかどうかです。制度の設計上、既存の顧問診断士を通じた相談が想定されており、見知らぬ担当者から突然連絡が来るという性格ではありません。

第二に、情報共有の範囲と承諾プロセスを事前に確認することです。財務情報・取引先情報などの秘密情報は事前承諾なしに共有されないとされていますが、どの段階でどの情報をどの範囲まで共有するかは、個別の案件ごとに書面で確認することが安心につながります。

第三に、M&Aを選択しない場合の支援内容を把握しておくことです。本制度はM&Aを選択しなかった場合でも相談できると明示されており、親族内承継や役員・従業員承継を選んだ後の経営改善支援にも対応するとされています。M&A仲介会社を使うことへの心理的ハードルを下げる設計は、経営者にとって利用しやすい環境と言えます。

今後の注目点——制度の普及と品質担保の両立

全国の中小企業診断士を対象とした募集は、地理的な網羅性という点では優れています。ただし、参画する診断士の質と活動の均一性をどう担保するかは、制度の信頼性に直結する課題です。

同社は参画診断士向けの研修や情報提供を制度に含めており、M&A未経験の診断士でも対応できる体制を整えると説明しています。この研修の内容と頻度、そして共同案件での実績の積み上げが、制度の定着と品質担保のカギを握ります。中小M&A市場全体の健全化という観点からも、今後の展開は注目に値します。

Q&A

事業承継・成長支援パートナー制度はいつから始まりますか?

株式会社M&Aグローバルキャピタルは2026年8月10日より全国の中小企業診断士を対象にパートナー募集を開始しています。問い合わせ先はinfo@magc.co.jpです。

M&A以外の事業承継方法についても相談できますか?

はい、対応しています。本制度は親族内承継・役員従業員承継・第三者承継・単独成長など複数の選択肢を比較することを重視しており、M&Aを選択しない場合でも相談可能と明示されています。

顧問先の財務情報が無断でM&A会社に渡ることはありますか?

同社の運営原則では、企業名・財務情報・取引先情報などの秘密情報は顧客企業から事前に承諾を得た範囲内でのみ共有されます。事前承諾なしに情報が共有されることはないとされています。

M&Aの経験がない中小企業診断士でも参加できますか?

参加できます。M&Aの経験がない中小企業診断士であっても、同社の担当者が案件の初期段階から連携し、研修や情報提供の支援も提供されます。

成約後のPMI支援は必ずセットで提供されますか?

PMI支援は対象企業の課題や希望に応じて、中小企業診断士および各分野の専門家と連携しながら個別に支援内容と役割を定める形となります。すべての案件に一律で提供されるものではありません。

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