M&Aのプロセスを進める際、売り手にとって気になるのが「仲介手数料」の高さです。特に中小企業の売却において、手数料が利益を圧迫することは避けたいポイントです。しかし、仲介会社の手数料はなぜ高いのか、その仕組みを理解することで、より効果的な対策が取れるでしょう。今回はM&Aにおける仲介手数料の仕組みと、売り手として知っておくべきポイントについて詳しく解説します。
1. M&A仲介会社の手数料はなぜ高いのか?
一般的に、M&Aの仲介手数料は成功報酬型が多く、最終的に売買が成立した際に支払われる形です。仲介会社が取る手数料は通常「レーマン方式」と呼ばれ、取引額に応じたパーセンテージが設定されます。この手数料体系は、取引金額が高くなるほどパーセンテージが下がるものの、最終的な手数料額は大きな金額になります。
例えば、1億円の取引に対して5%の手数料が課される場合、500万円の手数料が必要です。これが、10億円や20億円といった大規模な取引になると、手数料はさらに膨らむため、手数料が高いと感じる要因となります。
2. 手数料が高い仲介会社を利用するリスク
M&A仲介において両手取り方式(デュアルレップ方式)を採用する仲介会社は、売り手と買い手の双方から手数料を得る仕組みです。両手取りの仲介方式は、仲介会社にとって利益が上がりやすいものの、売り手にとって不利益が生じるリスクがあります。理由は、仲介会社が買い手・売り手双方の利益を調整する立場にあるため、透明性に欠ける可能性があるからです。場合によっては、仲介会社が利益を優先し、売却条件が十分に交渉されないまま成立してしまうこともあります。
3. 片手取りFA方式の利点と手数料の透明性
片手取りのフィナンシャルアドバイザー(FA)方式を採用することで、売り手はこうしたリスクを回避しやすくなります。FA方式では、売り手が専任のアドバイザーに依頼する形となり、売却条件の交渉が売り手の利益を最優先に進められます。FA方式では、手数料が契約時に明確に提示されるため、売却価格に応じて計算しやすく、コスト管理がしやすいです。加えて、売り手側に対するコミットメントが強いため、信頼できるM&Aが実現しやすくなります。
4. 手数料を抑えるための具体的な対策
M&Aの売り手として手数料を抑えるためには、以下のポイントを検討すると良いでしょう。
- 複数の仲介会社やFAの見積もりを取る:事前に複数のM&A会社に手数料を問い合わせ、料金体系やサービス内容を比較することで、無駄なコストを抑えることが可能です。
- 固定報酬型のアドバイザーを検討する:成功報酬型に加え、固定報酬型を選択できるアドバイザーもあります。固定報酬型は一見割高に見えますが、取引規模に関わらず安定した費用でサポートを受けられます。
- 透明性のある契約内容を確認する:契約時に仲介手数料の計算方法や条件を明確にしてもらうことが重要です。FA方式であれば、契約の際に手数料体系や追加費用の有無などを確認し、納得してから進めるとよいでしょう。
5. まとめ
M&Aの売り手にとって、仲介手数料の高さは懸念材料です。しかし、片手取りFA方式を選ぶことで、手数料の透明性を確保し、信頼できるサポートを受けられる点が大きな利点です。特に、初めてのM&Aを検討している企業オーナーの方には、利益をしっかり守りながら進めるための選択肢として、FA方式の検討をおすすめします。
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