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TOBとは?基礎や仕組み、メリット・デメリット、最新の事例まで徹底解説

用語集

TOB(Take Over Bid、株式公開買付)とは、企業や投資ファンドが、特定企業の株式を市場外で“あらかじめ決めた価格と期間”で公開的に買い付ける制度を指します。
これは日本の金融商品取引法で規定された正式な手続きであり、通常の市場取引とは異なり、買付条件が明確に公告されることが特徴です。

TOBが使われるのは次のようなケースです。

  • 経営権の取得(株式の過半数〜3分の2の確保)
  • 親会社による上場子会社の完全子会社化
  • 上場廃止(非公開化)
  • 敵対的買収の突破口
  • ホワイトナイトとしての買収防衛策

このように、TOBは企業の重要な意思決定に関わる“戦略的な買収手段”として位置付けられています。


  1. TOBが実施される4つの主要目的
    1. 経営権の取得
    2. 子会社化・親子上場の解消
    3. 株式非公開化
    4. 敵対的買収/買収防衛
  2. TOBの仕組みと手続き(プロセス)
    1. STEP1:買付条件の決定
    2. STEP2:公開買付開始公告
    3. STEP3:株主の応募
    4. STEP4:結果の公表
    5. STEP5:決済
  3. TOB価格はどう決まるのか(プレミアムの合理性)
    1. 一般的なプレミアム水準
  4. TOBの種類(目的別4分類)
    1. 友好的TOB
    2. 敵対的TOB
    3. 完全子会社化のためのTOB
    4. 非公開化(MBO)目的のTOB
  5. TOB発表後の株価推移(投資家の反応)
    1. 発表直後の急騰
    2. TOB価格への収斂
    3. 不成立リスクのある場合の弱含み
    4. 不成立の場合の急落
  6. 投資家がTOBに応募すべきか判断する基準
    1. 成立確率
    2. 市場価格との差分
    3. 今後の保有方針
  7. 企業側のメリット・デメリット(経営観点)
    1. 【メリット】
      1. 1. 経営権を確実に取得できる
      2. 2. グループ再編が進めやすい
      3. 3. 非公開化による改革余地
    2. 【デメリット】
      1. 1. 買収コストが高い
      2. 2. 少数株主から価格が不当に安いと訴えられるリスク
      3. 3. 経営統合後のPMI(統合作業)が必要
  8. TOBとM&Aの違い(目的・プロセスの対比)
  9. 日本市場におけるTOBトレンド
    1. 親子上場の解消が主要テーマ
    2. PEファンドによる上場廃止案件が増えている
    3. 敵対的TOBは依然として少数
  10. 経営者がTOBを実行する際のチェックポイント
    1. 買付価格の妥当性
    2. スケジュール設計
    3. 少数株主の保護対応
    4. 上場廃止基準のクリア
  11. まとめ

TOBが実施される4つの主要目的

TOBは単純な株式購入ではなく、明確な戦略目的を伴います。
以下が代表的な4種類です。

経営権の取得

対象会社の意思決定を支配するためには、一般的に「議決権の50%超」を確保する必要があります。
市場で買い集めると株価が急騰し調達コストが膨らむため、市場外で一括して買うTOBは合理性が高い手法です。

子会社化・親子上場の解消

近年のコーポレートガバナンス改革により、親子上場の縮減が強く推奨されています。
親会社はTOBで株式を買い増し、最終的に100%子会社化して意思決定を統一します。

株式非公開化

投資ファンドと組んだMBO(マネジメント・バイアウト)では、上場廃止のためにTOBが用いられます。
非公開化する主なメリットは以下です。

  • 四半期開示・株主対応などの負担を削減
  • 中長期の経営改革に集中できる
  • 市場株価に左右されず投資判断が可能

敵対的買収/買収防衛

経営陣が反対する買収は敵対的TOBと呼ばれますが、
対象企業がホワイトナイトに救援を求める友好的TOBもあります。


TOBの仕組みと手続き(プロセス)

TOBは金融商品取引法に基づく厳格な手続きで、以下のフローで進みます。

STEP1:買付条件の決定

  • 買付価格
  • 買付期間
  • 最低応募株数(成立下限)
  • 応募超過時の按分の有無
  • 買付後の保有比率の目標

これらは公告時点で確定していなければなりません。

STEP2:公開買付開始公告

新聞・電子公告・IRなどで正式に公表します。
公告後は、対象企業の株主は内容を確認したうえで応募判断を行います。

STEP3:株主の応募

株主は証券会社を通じて応募します。
応募中は市場で株式を売却できない点が大きな特徴です。

STEP4:結果の公表

応募株数が下限を満たした場合にTOBは成立します。
応募超過時は公告に従って“按分比例”で処理されます。

STEP5:決済

成立後、応募株式に対して買付価格で決済が実行されます。


TOB価格はどう決まるのか(プレミアムの合理性)

TOB価格は、通常の市場価格より高めに設定されます。
これは株主に応募の動機を与えるためです。

一般的なプレミアム水準

  • 子会社化目的:10〜20%
  • 非公開化(MBO):20〜40%
  • 敵対的買収:50%を超えるケースもある

金額の根拠としては、

  • 類似会社比較
  • DCF法
  • マルチプル分析
  • 第三者評価機関のフェアネスオピニオン
    などを総合して決定します。

TOBの種類(目的別4分類)

TOBの分類は明確です。

友好的TOB

対象会社の取締役会が賛同し、買収後の統合方針が一致している形態。

敵対的TOB

対象会社の賛同を得ずに実施される買収。
経営側が反対しても、株主の判断で成立しうる点が特徴です。

完全子会社化のためのTOB

90%以上の支配を目指し、最終的なスクイーズアウトにつなげる目的。

非公開化(MBO)目的のTOB

上場廃止に直結するため、応募しない場合は株式売却が必要になります。


TOB発表後の株価推移(投資家の反応)

TOBは市場に強いインパクトを与え、株価は次のように動きます。

発表直後の急騰

TOB価格が市場価格を上回るため、差分を狙う買いが集中します。

TOB価格への収斂

成立の確度が高いほど、市場価格はTOB価格に近づきます。

不成立リスクのある場合の弱含み

市場は成立確率を織り込み、TOB価格の数%下となることが一般的です。

不成立の場合の急落

下限未達や買付撤回が発生すると、市場価格は急低下します。


投資家がTOBに応募すべきか判断する基準

投資家は次の3点を重視して判断します。

成立確率

友好的TOBは一般的に成立確度が高い。
敵対的TOBは不成立リスクを伴う。

市場価格との差分

TOB価格との乖離が小さい場合、リスクに見合わないこともある。

今後の保有方針

非公開化の場合、応募しない選択肢は基本的に存在しません。


企業側のメリット・デメリット(経営観点)

【メリット】

1. 経営権を確実に取得できる

市場買いよりも株価を安定させつつ支配権を確保できる。

2. グループ再編が進めやすい

連結管理や意思決定スピードが大幅に上がる。

3. 非公開化による改革余地

長期視点での意思決定が可能になる。

【デメリット】

1. 買収コストが高い

プレミアム分が大きな負担となる。

2. 少数株主から価格が不当に安いと訴えられるリスク

フェアネスオピニオンの取得などが不可欠。

3. 経営統合後のPMI(統合作業)が必要

特に親子上場解消ではシステム統合・人事再配置が発生する。


TOBとM&Aの違い(目的・プロセスの対比)

TOBは「株式取得」の一手法であり、M&A全体の一部に過ぎません。

観点TOBM&A全般
手法公開買付合併・株式交換・事業譲渡ほか多数
交渉主体不特定多数の株主主要株主・経営者
コストプレミアム付きで高額になりやすい手法により異なる
市場への影響非常に大きい手法により異なる

日本市場におけるTOBトレンド

ファクトベースで整理すると、次の3点が明確です。

親子上場の解消が主要テーマ

ガバナンス・コード強化により、親会社が子会社を完全子会社化するTOBが増加。

PEファンドによる上場廃止案件が増えている

市場価値よりも企業価値を上げられると判断した場合、ファンドが積極投資。

敵対的TOBは依然として少数

日本市場は友好的買収が主流。


経営者がTOBを実行する際のチェックポイント

以下は企業側が必ず押さえるべき要素です。

買付価格の妥当性

フェアネスオピニオンで客観性を担保することが必須。

スケジュール設計

公告開始日から決済まで、法令遵守の厳密な進行管理が必要。

少数株主の保護対応

スクイーズアウト時には特に慎重な価格設定と説明責任が発生する。

上場廃止基準のクリア

流通株式比率が基準未満となると上場廃止が不可避。


まとめ

TOB(株式公開買付)は、企業にとっては「支配権の確保」「上場廃止」「非公開化」など重要な経営戦略を実現するための強力な手段です。
投資家にとっても短期的な収益チャンスがある一方、不成立リスクを正しく理解する必要があります。

日本市場ではガバナンス改革が進んだことで、今後もTOBは着実に増加すると考えられます。

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この記事を書いた人
MANDA編集部 森田

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