M&A(Mergers & Acquisitions、企業の合併・買収)は、日本でも一般的になりつつありますが、いまだに「M&Aはあやしい」「騙されそう」というイメージを持つ人も少なくありません。確かに、M&A業界には不透明な部分や利益相反のリスクがあるのも事実です。
では、M&Aは本当に「あやしい」のか? 本記事では、M&Aにまつわる誤解と実態を解説し、信頼できる取引を行うためのポイントを紹介します。
M&Aが「あやしい」と思われる理由
M&Aに対してネガティブなイメージを持つ人が多いのは、主に以下の理由によるものです。
「ハゲタカ」や「乗っ取り」のイメージ
M&Aという言葉を聞くと、「外資ファンドが企業を買い叩く」「創業者が追い出される」といった印象を持つ人も多いです。これは、過去に一部の企業買収で敵対的M&Aが行われたことや、映画・ドラマの影響によるものです。
しかし、実際のM&Aの大半は、
✅ 事業承継のための友好的なM&A
✅ 企業成長のための戦略的なM&A
など、双方にメリットがある形で行われています。
M&A仲介業者の不透明な手数料体系
M&A業界には、仲介業者が関与するケースが多く、特に**「両手取り」方式の仲介業者**に対する不信感が根強いです。
🔻 両手取り(ダブルレップ)の問題点
- 売り手と買い手の両方から手数料を受け取るため、本来の適正価格で売却されないリスクがある
- 仲介業者は「成約=手数料収入」のため、売り手・買い手の本当の利益より、早期成約を優先するケースもある
- 「無料査定」と言いつつ、契約後に高額な手数料を請求されることも
📌 実例:M&A DX社の登録取り消し
2023年9月、中小企業庁は「M&A DX社のM&A支援機関登録を取り消し」ました。その理由は、登録要件を満たしていないにもかかわらず虚偽申請をしていたこと。こうした事例があるため、M&A業界全体に対して「あやしい」という印象を持たれることもあります。
M&Aは本当に危ないのか?──透明性のある取引も増えている
M&Aには「あやしい」業者が存在する一方で、近年は透明性の高いM&Aも増えています。
片手取りFA(フィナンシャルアドバイザー)の活用
M&Aの不透明さを避けるためには、「片手取りのFA(フィナンシャルアドバイザー)」を活用するのが重要です。
✅ FAは、売り手・買い手のどちらか一方のみをサポートするため、利益相反が起こらない
✅ 適正な価格交渉が可能で、クライアントの利益を最優先できる
✅ 完全成功報酬制ではなく、適正なアドバイザリー契約を結ぶことで、不透明な手数料を回避
片手取りFAは、投資銀行やM&A専門アドバイザリー会社が採用することが多く、特に中堅・大企業のM&Aでは標準的な方法です。
M&Aプラットフォームの台頭(DX化)
M&Aの不透明さを減らすため、最近では**「M&Aプラットフォーム」**が増えています。これにより、売り手と買い手が直接やり取りできる仕組みが整いつつあります。
✅ TRANBI(トランビ)
✅ BATONZ(バトンズ)
✅ MANDA
これらのプラットフォームでは、売り手と買い手が直接交渉できるため、仲介業者を介さずにM&Aを進めることも可能です。
M&Aを安全に進めるためのポイント
M&Aを成功させるためには、「あやしい」取引を避け、信頼できる方法で進めることが大切です。
✅ 片手取りのFAを選ぶ
→ 両手仲介ではなく、クライアントの利益を優先するアドバイザーを選ぶことが重要
✅ M&A支援機関登録制度を確認
→ 中小企業庁が運営する「M&A支援機関登録制度」に登録されているかをチェック
✅ 手数料体系を明確にする
→ 「無料相談」だけで判断せず、契約前に手数料や条件をしっかり確認
✅ M&Aプラットフォームを活用する
→ 直接マッチングを活用し、仲介手数料を抑える方法を検討する
まとめ──M&Aは「あやしい」取引ではなく、正しく活用すれば強力な成長手段
M&Aには、不透明な部分があるため「あやしい」と感じる人が多いのも事実です。しかし、近年では透明性を確保する取り組みが進み、適正なM&Aを実現する環境が整いつつあります。
📌 M&Aの「あやしい」部分
- 両手仲介の利益相反リスク(売り手・買い手のどちらにも不利益が生じる可能性)
- 不透明な手数料体系(契約後に高額請求されるケース)
- 不適切な業者の存在(M&A DX社の登録取り消しなど)
📌 M&Aの「健全な活用法」
- 片手取りFAを選ぶことで、利益相反を避ける
- M&Aプラットフォームを活用し、直接交渉の機会を持つ
- 契約前に手数料・条件を明確に確認し、トラブルを回避
M&Aは、正しく活用すれば企業成長や事業承継にとって大きなメリットをもたらすツールです。適切な方法で進めることで、「あやしい」と思われがちなM&Aを、企業の未来につなげる手段として活用できるでしょう。


