無料相談

【完全ガイド】M&A戦略立案の7ステップ

M&Aの手法

はじめに:なぜ「M&A戦略」が不可欠なのか

M&A(企業の合併・買収)は、既存事業の拡大だけでなく新規事業への参入、デジタルトランスフォーメーション、後継者問題の解決など、経営課題を一気に解決できる強力な選択肢です。しかし、「とりあえず買えば伸びるだろう」という発想で動き始めると、シナジーが生かせずに多額ののれんを減損するリスクが高まります。M&A 戦略とは、自社の中長期ビジョンを踏まえ「いつ・どの領域で・どのような相手を・どんなスキームで」買収するかを体系的に描く作業です。本記事では、戦略立案のプロセスを “7 つのステップ” に分解し、実務で再現できるように解説いたします。


M&A 戦略立案の 7 ステップ

STEP 1:経営ビジョン・事業ポートフォリオの再点検

  1. 中期経営計画(3〜5年)を具体的な数値で明文化
    • 例:「売上 2,000 億円」「海外売上比率 40%」「ROIC 10%」
  2. 既存事業の成長性・収益性を客観評価
    • 事業ごとに 市場成長率、競争強度、自社優位性 をマッピングします。
  3. ポートフォリオギャップ分析
    • 目標数値と現状の差分(ギャップ)を可視化し、「M&A で埋めるべき領域」を特定します。

STEP 2:M&A 方針(Buy vs Build vs Ally)の決定

  • Buy(買収):スピード優先。独自技術・顧客基盤を即時獲得。
  • Build(自前開発):R&D コストはかかるが統合リスクが低い。
  • Ally(提携・ジョイントベンチャー):資本参加比率を抑え、様子見が可能。

TIP:買収一択ではなく、“Build”や“Ally”を組合せるポートフォリオ発想でリスクを平準化することが重要です。

STEP 3:ターゲット業界・地域のマクロ分析

  1. 市場規模・CAGR(年平均成長率)
  2. 競争構造(5 Forces 解析)
  3. 法規制・参入障壁
  4. 為替・政治リスク(クロスボーダーの場合)

これらをスコアリングし、優先度の高い“投資テーマ”を 3〜5 個に絞り込みます。

STEP 4:シナジーマップと評価指標の設計

  • 売上シナジー:クロスセル、チャネル統合、新規顧客開拓
  • コストシナジー:購買集中、重複人員削減、IT 基盤共通化
  • 財務シナジー:税効果、資本コスト低減、キャッシュフロー安定
  • 組織シナジー:人材補完、カルチャーフィット

上記シナジー項目を 定量 KPI(%・円)達成タイムライン に落とし込み、案件評価テンプレートを作成します。

STEP 5:ターゲット・ロングリストの構築

  1. 情報ソースの多重化
    • 帝国データバンク、TSR、PitchBook、業界団体、展示会リスト、LinkedIn など。
  2. 抽出基準(財務規模・地域・技術領域など)を設定
  3. スクリーニング指標(売上成長率、EBITDA マージン、資本構成) を機械的に適用
    • 50〜200 社程度のロングリストを目安とします。

STEP 6:プライオリティ付けとショートリスト化

  • 定量スコアリング(戦略適合度 30 点 + 財務健全性 30 点 + シナジー潜在性 20 点 + 取引実現性 20 点)
  • 定性レビュー(経営者資質、企業文化、レピュテーション)
  • トップ 5〜15 社を“ショートリスト”とし、タッピング(初期接触)フェーズへ進みます。

STEP 7:統合を見据えた投資判断とタイムライン設計

  1. バリュエーションレンジ策定(DCF、類似会社法、前例取引法)
  2. PMI(Post-Merger Integration)ロードマップのプレ策定
  3. 投資回収シナリオ(Base / Upside / Downside)を財務モデル化
  4. ガバナンス&意思決定プロセス
    • 取締役会、M&A 委員会、外部アドバイザーの役割分担を明確にします。
  5. 資金調達戦略(手元キャッシュ、銀行融資、社債、増資など)

戦略立案を成功させる 5 つのキーポイント

  1. “M&A ありき”ではなく“戦略ドリブン”
    • 目的と KPI を先に決め、手段として M&A を位置付けます。
  2. 定量化と可視化
    • ギャップ分析・シナジーマップ・KPI を数値で語れるようにします。
  3. 情報ソースの多層チェック
    • 公的データ ↔ 民間データ ↔ 業界ネットワークでクロス精査します。
  4. PMI 逆算思考
    • 統合フェーズで頓挫しないよう、事前に人・モノ・IT の統合難易度を評価します。
  5. ガバナンスと属人化防止
    • 社内専門チーム + 外部アドバイザー + 取締役会の“三層構造”で意思決定を多面的にします。

事例で学ぶ:成功パターンと失敗パターン

事例成功要因 / 失敗要因学び
A 社(製造業)→同業買収PMI 前に生産ライン統合シミュレーションを行い、1 年で固定費 15%削減PMI 逆算思考 が功を奏しました
B 社(IT)→海外 SaaS ベンチャー買収カルチャーギャップを軽視し、離職率 30%組織シナジー評価不足 が致命傷に
C 社(小売)→EC 企業買収バリュエーションを売上倍率のみで算定し、のれん減損を計上複数手法での評価 が必要でした

よくある質問(FAQ)

Q1. 事業ポートフォリオ分析と M&A 戦略はどちらを先に行うべきですか?
A. ポートフォリオ分析を先に行い、ギャップを定量把握してから M&A 戦略を立案するのがセオリーです。

Q2. スタートアップ買収と中堅企業買収では何が違いますか?
A. スタートアップは成長性重視(売上倍率)、中堅企業は収益性重視(EBITDA 倍率+ DCF)の手法が一般的です。

Q3. PMI をどの段階で検討すべきですか?
A. LOI(意向表明書)前の戦略立案時点で統合シナリオを描き、DD で実行可能性を検証するのがベストプラクティスです。


まとめ:M&A 戦略立案は“攻守一体”の設計図

  • 攻め:成長ドライバー(新市場・新技術・新顧客)を特定し、投資テーマを明確化します。
  • 守り:バリュエーション多面評価、ガバナンス体制、PMI 逆算で失敗確率を下げます。

この 7 ステップと 5 つのキーポイントを実践すれば、シナジーを最大化しつつリスクを最小化した M&A 戦略を描くことができます。ぜひ本記事を社内の共通言語としてご活用いただき、貴社の成長シナリオを実現してください。

M&A 戦略は企業の未来を左右する“羅針盤”です。綿密な準備と定量的思考を持ち、失敗しないロードマップを描いてください。この記事が皆さまの戦略策定の一助になれば幸いです。

M&A・事業承継のご相談はMANDAがお薦め

仲介ではなく“あなた専属”のM&Aサービス!
利益相反のない「片側FA方式」を、ぜひ一度ご体験ください。
完全成功報酬で、成約まで手数料無料です。

この記事を書いた人
MANDA編集部 森田

なにかと課題の多いM&A業界を民主化し、日本の未来を大きく左右する「事業承継問題」を解決することが、私たちのミッションです。M&Aをこれから始める方から、M&Aのプロフェッショナルの方まで、M&A周りを判りやすく丁寧に解説します。

M&Aの手法M&A・会社買収
この記事をシェアする!

M&A情報ならMANDAをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました