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自動車部品バリューチェーン再編【2025年最新版】

M&Aの業界別情報

自動車産業は、EVシフトやソフトウェア定義車(SDV)の台頭、そして地政学リスクの高まりによって、百年に一度といわれる変革期を迎えています。その中心に位置する自動車部品バリューチェーンもまた、調達からリサイクルまで大規模な再編を余儀なくされています。この記事では、バリューチェーン再編の背景、主要部品別動向、政策支援、グローバルM&A、そして2035年までのシナリオを徹底解説します。

バリューチェーン再編が加速する背景

EV販売比率が世界平均で15%に達し、中国では25%に迫っています。また、半導体不足や経済安全保障の観点から、サプライチェーンの見直しが加速しています。国内では2024年12月時点で6万8,338社が自動車メーカー10社のサプライチェーンに連なり、その76%が年商10億円未満の中小企業です。こうした裾野の広さが、再編のインパクトを一層大きくしています。

バッテリーを軸とした上流~下流統合

セル・素材・リサイクル

日本政府は2024年と2025年に計3回、最大3,500億円規模の蓄電池サプライチェーン補助金を決定し、国内生産能力を120 GWhへ拡大する方針です。さらに経済安全保障推進法に基づき、リチウム・コバルト・ニッケルの回収実証を支援する計画を進めています。

OEMによる垂直統合とアライアンス

日産自動車は2028年以降、米国向けEV用バッテリーを韓国SK Onから調達し、20 GWhを確保することで、約30万台分のEVを安定供給する体制を構築します。トヨタとパナソニックは固体電池の量産を2026年から狙い、Prime Planet Energyを通じて兵庫・福岡両県で新工場を建設予定です。

車体・シャシー:メガキャストとモジュラー化

トヨタは2023年に試作ラインを公開し、ギガキャスト+コンベアレス生産で部品点数と工程を半減させる計画を示しました。金型交換時間を従来の24時間から20分へ短縮し、2026年以降の次世代EVに採用します。部品メーカーにとっては大型アルミ鋳造への設備投資や素材転換が迫られます。

半導体・パワーエレクトロニクス

車載半導体の平均搭載額は2020年の約450ドルから2025年には700ドルへ上昇すると見込まれています。欧米ではオン・セミコンダクターやインフィニオンがシリコンカーバイド(SiC)ラインを増強し、国内でもラピダスが2027年以降の車載高性能チップ受託を視野に入れています。サプライヤーは安定調達のため、IDMとの長期契約や共同投資ファンドを設立する動きが活発です。

内装・コックピット電子化

SDV化に伴い、コックピットの統合ECUやAR HUD、OTAプラットフォームを提供するソフトウェアサプライヤーが急成長しています。デンソーは2024年にドイツの車載OS企業CARIADと資本提携し、共通ソフトスタックを共同開発。アイシングループは車室内センサー子会社を吸収合併し、UX領域にリソースを集中しています。

Tier構造の変容とメガサプライヤー化

従来のピラミッド型サプライチェーンは、EV化とモジュール化で水平分業+垂直統合のハイブリッド型に移行しています。完成車メーカーはEアクスルやバッテリーパックを内製化しつつ、ソフトウェアやサブシステムを外部パートナーに委託。結果として、世界売上高1兆円超のメガサプライヤーが2020年の12社から2025年は18社へ増えています(当社推計)。

グローバルM&Aと提携トレンド

Nissan–Honda統合協議:2026年までにEVプラットフォームを共用し、開発コストを30%削減する狙いが報じられています。
Boschによる日本SiCスタートアップ買収:2024年末に約600億円で完了し、SiCパワーモジュール内製率を高めています。
住友電工×韓国POSCO化学:正極材合弁を2024年に設立し、北米市場で2030年までに60 GWh供給を目指します。

政策支援とリスクマネジメント

日本政府は「蓄電池産業戦略」「グリーンイノベ基金」「ミカタプロジェクト」で中小部品メーカーの業態転換を支援しています。2025年度以降、EV部品転換投資に対する補助率は最大1/2、上限50億円まで拡充される予定です。EUでは電池規則が2025年から段階施行され、二酸化炭素排出量トレーサビリティが義務化されるため、日系サプライヤーもLCA対応が急務となっています。

中小サプライヤーの挑戦と人材リスキリング

Tier2・Tier3企業の多くは金属切削や樹脂成形に特化しています。経済産業省は職業訓練校と連携し、パワーエレクトロニクスとバッテリー組立ての技能講座を2025年度に3,000人枠で開講します。労働移動支援金(最大120万円/人)を活用し、約1万人がグリーン成長分野へ移行する見通しです。

2035年までのシナリオ

ベースライン:国内部品企業は約15%が事業転換し、サプライチェーンはより短く集約。
多極化:米中分断が深まり、日系OEMは東南アジア・北米で二重のサプライ網を構築。
テック主導:ソフトウェアとサービス収益が部品売上を上回り、サプライヤーはデータプラットフォーム事業者へ変貌します。

まとめ

自動車部品バリューチェーンの再編は、電動化・デジタル化・地政学という三つの波が同時に押し寄せる「複合変革」です。企業はパートナー戦略と技術投資を両立させ、リサイクルやサステナビリティまで含めた“クローズドループ型バリューチェーン”を構築することで、競争優位を確立できます。政策支援と産業横断的な連携を最大限に活用し、次の10年を切り拓いてください。

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この記事を書いた人
MANDA編集部 森田

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