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松屋フーズが松富士を買収|六厘舎を擁するラーメン企業を91億円で完全子会社化

M&Aニュース

2025年12月、松屋フーズホールディングスは、ラーメン・つけ麺を中心とした外食事業を展開する株式会社松富士の全株式を取得し、完全子会社化することを発表しました。取得価額は約91億円規模とされ、同社にとっては近年でも大きな戦略的M&Aとなります。

松富士は「六厘舎」「舎鈴」「ジャンクガレッジ」「トナリ」「次念序」など、関東圏を中心に高い知名度を誇るラーメンブランドを複数展開しており、外食市場において確固たるポジションを築いてきました。今回の買収は、松屋フーズが従来の牛丼・定食・とんかつ中心の事業構成から一歩進み、ラーメン事業を新たな成長の柱として本格的に育成する意思表示といえます。

本記事では、松富士買収の概要、背景、買収金額の意味、松屋フーズの戦略的狙い、株主・業界への影響、そして今後の展望について、事実関係を整理しながら詳しく解説します。


松屋フーズホールディングスは、牛丼チェーン「松屋」を主力としながら、「松のや」「松乃家」など複数の業態を展開する外食大手です。近年は消費者ニーズの多様化や競争激化を背景に、単一業態依存から脱却するためのマルチブランド戦略を推進してきました。

一方の松富士は、2000年代以降のラーメンブームを背景に成長してきた企業であり、つけ麺・濃厚系ラーメンを軸に複数ブランドを育て上げてきました。いずれのブランドも、駅ナカや商業施設、空港など集客力の高い立地での運営実績があり、安定した集客とブランド力を強みとしています。


買収の概要

今回の買収は、松屋フーズホールディングスが松富士の全株式を取得し、完全子会社化するものです。株式取得価額は約91億円と公表されており、2026年初頭を目途に株式譲渡が実行される予定です。

この取引により、松富士は松屋フーズグループの一員となり、経営権は松屋フーズ側に移ります。一方で、松富士が展開してきた各ブランドは継続される方針とされており、ブランド統合ではなく、「ブランドを活かした成長」 を前提とした子会社化である点が特徴です。

松富士の取締役会および株主は本件に合意しており、敵対的買収ではなく、双方の戦略が一致した友好的なM&Aと位置づけられます。


松富士とはどのような会社か

松富士は、ラーメン・つけ麺を中心とした外食事業を展開する企業で、複数のブランドを自社直営で運営しています。代表的なブランドである「六厘舎」は、濃厚魚介系つけ麺の代名詞的存在として高い知名度を誇り、行列店として広く認知されています。

また、「舎鈴」は日常使いを意識した価格帯と立地戦略で店舗数を拡大し、「ジャンクガレッジ」や「トナリ」はボリューム感や個性を前面に出したブランドとして若年層を中心に支持を集めています。

松富士の強みは、ブランドごとに明確なコンセプトを設定し、立地や客層に応じた使い分けを行っている点です。加えて、セントラルキッチンを活用した品質管理、再現性の高いオペレーション、データに基づく店舗運営など、チェーン展開に適した仕組みを構築しています。


買収金額91億円の意味

松富士の買収金額は約91億円とされており、非上場の外食企業としては比較的大型の案件です。この金額には、松富士が保有するブランド価値、店舗網、収益力、将来の成長可能性が織り込まれていると考えられます。

松富士は複数ブランド合計で約120店舗規模を展開しており、年商も100億円規模に達していると見られています。ラーメン業態は原価率や人件費の管理が難しい一方で、ブランドが確立すれば高い集客力と収益性を維持できる特徴があります。

91億円という買収額は、短期的な利益だけでなく、中長期的にラーメン事業を成長させるための戦略投資 としての意味合いが強いといえます。


松屋フーズが松富士を買収した背景

松屋フーズが今回の買収に踏み切った背景には、外食市場を取り巻く構造変化があります。

外食業界では、原材料価格の上昇、人件費の高騰、消費者嗜好の多様化といった課題が同時進行しています。こうした環境下では、単一業態に依存する経営はリスクが高く、複数の業態を組み合わせたポートフォリオ経営が重要になります。

松屋フーズはこれまでも牛丼に加えて、とんかつや定食といった業態を育成してきましたが、ラーメンはこれまで本格的な柱とはなっていませんでした。松富士の買収により、即戦力となるブランドと運営ノウハウを一気に取り込むことが可能になります。


ラーメン事業を第三の柱へ

ラーメンは日本国内外で人気が高く、インバウンド需要とも相性の良い業態です。特に、空港や主要駅、観光地での集客力は高く、今後の成長余地も大きい分野とされています。

松富士はすでにこうした立地での運営実績を持っており、松屋フーズの出店ノウハウや物流網と組み合わせることで、さらなる拡大が期待されます。牛丼・とんかつに続く 「第三の事業柱」としてラーメンを育成する という狙いは、今回の買収を通じて明確になりました。


買収後のシナジーと統合方針

買収後、松富士は松屋フーズグループの一員として事業を継続しますが、各ブランドの独自性は尊重される方針です。これは、ブランド価値を毀損せずに成長させるための重要なポイントです。

一方で、調達、物流、人材育成、データ活用といった領域では、グループ全体での効率化が進むと考えられます。特に、原材料の一括調達や物流の統合は、コスト面でのシナジーを生み出す可能性があります。


株主・投資家視点での評価

株主・投資家の視点から見ると、今回の買収は短期的な利益拡大よりも、中長期的な成長基盤の構築を重視した投資と評価できます。ラーメン事業は競争が激しい一方で、成功すれば高いブランド力と収益性を生み出す可能性があります。

松富士の買収は、松屋フーズが将来の外食市場を見据え、ポートフォリオ経営を本格化させる転換点と位置づけることができます。


外食業界全体への影響

今回のM&Aは、外食業界における再編の動きを象徴する事例でもあります。人手不足やコスト上昇が常態化する中で、規模の拡大やブランド多角化を通じて競争力を高める動きは、今後も続くと見られます。

特に、強いブランドを持つ専門業態が、大手外食企業の傘下に入るケースは増加する可能性があります。


今後の注目点

今後注目されるポイントは、松富士ブランドの出店戦略、地方・海外展開の可能性、そして松屋フーズグループ全体の収益構造がどのように変化していくかです。

また、既存の牛丼・とんかつ業態とのカニバリゼーションをどう回避し、相互送客やブランド相乗効果を生み出せるかも重要なテーマとなります。


まとめ

松屋フーズホールディングスによる松富士の買収は、約91億円規模の戦略的M&Aであり、ラーメン事業を本格的な成長軸として位置づける大きな転換点です。松富士が持つ複数の強力なラーメンブランドと、松屋フーズの経営基盤・出店力が組み合わさることで、新たな成長ストーリーが描かれる可能性があります。

本件は、外食業界における多角化と再編の流れを象徴する事例であり、今後の展開が注目されます。

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この記事を書いた人
MANDA編集部 森田

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