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2027年1月からM&Aに伴う税金は上がるの?税制改正の対象や影響を徹底解説

M&Aの税務

近年、日本では中小企業の事業承継やスタートアップのイグジット手段として、M&Aが急速に一般化しています。その一方で、「2027年からM&Aに関する税金が上がるらしい」「株式を売却すると手取りが大きく減るのではないか」といった不安の声も増えています。

結論から申し上げると、2027年以降、一定規模以上のM&A(特に株式譲渡)については、実質的な税負担が増える可能性があります。ただし、これはすでに法律として確定した話ではなく、現在進行形で議論されている税制改正の方向性を踏まえたものです。

本記事では、
・なぜ2027年から増税が噂されているのか
・どの税金が対象になるのか
・譲渡価格はいくら以上から影響を受ける可能性があるのか
・中小企業オーナーや個人株主にどのような影響があるのか
について、できるだけ分かりやすく解説します。


なぜ「2027年からM&A増税」と言われているのか

この話題の背景にあるのは、金融所得課税の見直しです。日本では現在、株式の譲渡益や配当などの金融所得について、原則として一律約20%の分離課税が適用されています。

具体的には、
・所得税15%
・住民税5%
・復興特別所得税0.315%
を合計した**20.315%**が基本税率です。

M&Aにおける株式譲渡益も、この金融所得に該当します。そのため、これまで多額の株式売却益を得た場合でも、給与所得のような累進課税ではなく、比較的低い税率で課税されてきました。

しかし、この仕組みについては以前から「高額所得者ほど有利になりすぎているのではないか」という指摘があり、政府・与党内で見直しの議論が進められています。その一環として浮上しているのが、いわゆるミニマム税(最低税率)の導入・強化です。


ミニマム税とは何か

ミニマム税とは、簡単に言えば「どれだけ節税をしても、一定水準以上の税率は必ず負担してもらう」という考え方です。国際的にも、富裕層や超高額所得者に対する課税手法として採用される例があります。

日本で検討されているミニマム税の特徴は、
・給与所得だけでなく
・株式譲渡益などの金融所得も合算した上で
・一定以上の所得がある場合に、実効税率が最低ラインを下回らないよう調整する
という点にあります。

この制度が導入・強化されると、M&Aで多額の株式譲渡益を得た個人株主が、その対象になる可能性が出てくるのです。


どの税金が上がる可能性があるのか

重要なポイントは、「すべてのM&Aが一律で増税されるわけではない」という点です。影響が想定されているのは、主に次のケースです。

・個人が保有している株式を売却するM&A
・その結果、年間の所得(特に株式譲渡益)が非常に高額になる場合

逆に言えば、
・法人が株式を売却するケース
・事業譲渡によるM&A
・小規模な株式譲渡
については、直接的な影響は限定的と考えられています。


譲渡価格はいくら以上から増税の可能性があるのか

多くの方が最も気にされているのが、「結局、いくら以上で増税になるのか」という点でしょう。

現時点で専門家の間で広く共有されている目安は、
年間の株式譲渡益が約3億〜4億円規模以上
という水準です。

ここで重要なのは、「譲渡価格」ではなく「譲渡益」である点です。
例えば、
・譲渡価格:5億円
・取得価額:1億円
であれば、譲渡益は4億円となります。

この譲渡益部分が高額になる場合に、ミニマム税の対象となる可能性があると議論されています。

なお、この金額ラインはあくまで「現時点で想定されている水準」であり、法律で確定したものではありません。今後の税制改正大綱や国会審議によって、
・金額基準が引き上げられる
・引き下げられる
・段階的な適用になる
といった変更が行われる可能性は十分にあります。


税率はどれくらい上がる可能性があるのか

報道や専門家の試算では、ミニマム税が適用された場合、実効税率が30%台半ばになる可能性が指摘されています。

つまり、
・現行:約20%
・改正後(高額部分):約35%前後
となるイメージです。

これは「すべての譲渡益に一律で35%がかかる」という意味ではなく、
・一定金額を超えた部分に対して
・最低税率を確保する形で
追加的に課税される可能性がある、という考え方です。


中小企業オーナーへの影響は大きいのか

この点については、「影響を受ける人」と「ほとんど影響を受けない人」が明確に分かれます。

例えば、
・株式譲渡益が数千万円〜1億円台
・事業承継型のM&Aで、創業者利益が限定的
といったケースでは、現行制度と大きな差が出ない可能性が高いです。

一方で、
・スタートアップ創業者
・複数社の株式を保有するオーナー
・一度のM&Aで数億円以上のキャピタルゲインが出るケース
では、将来的な税負担の増加を無視できません。


2026年と2027年で何が変わる可能性があるのか

一般的に、税制改正は
・前年に改正大綱が公表され
・翌年から施行
という流れを取ります。

そのため、仮に2026年度税制改正でミニマム税の強化が決定した場合、実際の適用開始は2027年1月以降の取引になる可能性が高いと見られています。

このため、M&Aのタイミングによっては、
・2026年中にクロージングした方が有利
になるケースも想定されます。ただし、税金だけを理由に拙速なM&Aを行うことはリスクも大きく、慎重な判断が必要です。


今後、経営者・株主が考えておくべきポイント

今回の議論を踏まえ、M&Aを検討している方が意識すべき点は次のとおりです。

・自分のケースが「高額譲渡益」に該当するかどうか
・株式譲渡と事業譲渡のどちらが適しているか
・個人で受け取るのか、法人で受け取るのか
・M&Aの実行時期をどう考えるか

特に、税金はM&Aの最終的な手取りに直結する要素です。制度が確定してから慌てるのではなく、早めに情報を整理し、専門家と相談できる状態を作っておくことが重要です。


まとめ

2027年からM&Aに伴う税金が必ず上がる、と断定することはできません。しかし、高額な株式譲渡益を対象とした税制強化が検討されているのは事実です。

特に、
・譲渡益が数億円規模になる可能性がある
・将来的にM&Aを検討している
という方にとっては、無関係な話ではありません。

今後も税制改正の動向を注視しつつ、自社・自身の状況に当てはめて冷静に判断していくことが、これからのM&A戦略においてますます重要になるでしょう。

この記事を書いた人
MANDA編集部 森田

なにかと課題の多いM&A業界を民主化し、日本の未来を大きく左右する「事業承継問題」を解決することが、私たちのミッションです。M&Aをこれから始める方から、M&Aのプロフェッショナルの方まで、M&A周りを判りやすく丁寧に解説します。

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