2026年6月22日、M&A関連の適時開示・発表は合計22件に上った。内訳は子会社化・買収が最多の8件、経営統合・合併が2件、事業譲渡・売却が1件、その他組織再編が複数件と多彩な顔ぶれ。国内大手の味の素によるマレーシア上場子会社への完全子会社化提案、MIXIがグリーHDのファンド運営会社を取得するクロスボーダー的な資本再編、エレコム傘下のアンテナ事業における合併と商号変更など、幅広い業種・規模で動きが相次いだ。
注目案件ピックアップ
- 味の素×マレーシア味の素――調味料大手の味の素<2802>がマレーシア上場子会社に完全子会社化を提案。海外事業の管理効率化・ガバナンス強化が狙いとみられる。
- MIXI×グリーHD傘下ファンド会社――投資事業を拡充するMIXI<2121>がグリーHD<3632>の会社分割を通じてファンド運営会社を取得。エンタメ×投資の事業ポートフォリオ再編として注目。
- エレコム傘下DXアンテナ×日本アンテナ合併――アンテナ・放送受信関連機器のエレコム<6750>が連結子会社間の吸収合併を実施、商号変更も合わせて発表。グループ内リソース集約が進む。
TOB・公開買付け(0件)
本日は公開買付け(TOB)の新規発表案件はなかった。
経営統合・合併(2件)
- クレジットカード業務の紀陽銀行<8370>、連結子会社の紀陽カードと紀陽カードディーシーを合併――クレジットカード等のカード事業の紀陽銀行<8370>子会社の紀陽カードと紀陽カードディーシーが合併へ。グループ内カード事業を一本化し経営効率を高める。 資料
- アンテナ及び放送受信関連機器の開発・製造のエレコム<6750>、連結子会社DXアンテナが日本アンテナを吸収合併・商号変更も実施――放送受信関連機器事業のエレコム<6750>子会社のDXアンテナと日本アンテナが合併へ。合わせて連結子会社の商号変更を発表。 資料
子会社化・買収(8件)
- 調味料等の製造・販売の味の素<2802>、マレーシア味の素社に対する完全子会社化に向けた提案を発表――味の素がマレーシア味の素を完全子会社化へ。海外事業ガバナンスの強化が目的とみられる。 資料
- キャッシュレス決済ビジネスのUNIVA・Oak<3113>、ユニヴァ・ペイキャストの株式を取得し子会社化――キャッシュレス決済ビジネスのUNIVA・Oakホールディングスがユニヴァ・ペイキャストを子会社化へ。 資料
- 投資事業の運営・管理のMIXI<2121>、グリーHD<3632>からファンド運営会社を子会社化――ファンド運営事業のMIXIがグリーHDからファンド運営会社を子会社化へ。グリーHD側は会社分割(吸収分割)を実施。 資料
- VTuber事業およびIP事業の経営管理のグリーHD<3632>、子会社における会社分割およびファンド運営会社株式を譲渡――グリーHD<3632>が子会社における吸収分割を実施し、子会社(孫会社)の株式・持分を異動。MIXI<2121>への売却と連動した組織再編。 資料
- ソーシャルメディアサービス・マーケティング支援事業のガイアックス<3775>、クリエイティブ&マーケティング支援サービスのkokodearを連結子会社化――クリエイティブ&マーケティング支援サービスのガイアックスがkokodearを子会社化へ。 資料
- テラスカイ<3915>、ブリッジインターナショナルグループの株式取得が完了――テラスカイ<3915>がブリッジインターナショナルグループ株式会社の株式取得完了を発表。 資料
- 人材紹介・人材派遣・就業支援事業のアンサーHD、ダイナリィを子会社化――人材紹介・人材派遣・就業支援事業のアンサーHDがダイナリィを子会社化へ。(nihonma)
- トーカイ、リハビリ型デイサービス事業の出光興産子会社QLCプロデュースを子会社化――リハビリ型デイサービス事業のトーカイが出光興産子会社のQLCプロデュースを子会社化へ。(nihonma)
事業譲渡・売却(1件)
- 経営層向けコンサルティング事業の識学<7049>、プロバスケットボールクラブ運営子会社の福島スポーツエンタテインメントをK Asset Managementに株式譲渡――識学<7049>がプロバスケットボールクラブ運営事業を手掛ける子会社・福島スポーツエンタテインメントの株式をK Asset Managementに譲渡する。 資料
資本業務提携・出資(0件)
本日は資本業務提携・出資の新規発表案件はなかった。
MBO・非公開化(0件)
その他組織再編(11件)
- 中堅・中小製造業を対象とする事業承継投資のセレンディップ<7318>、株式投資契約締結および子会社の異動を発表――ものづくり企業の事業承継M&A支援のセレンディップ<7318>が株式投資契約の締結と連結子会社の異動を発表。 資料
- ものづくり企業の事業承継M&A支援のセレンディップ<7318>、株式投資契約締結および子会社異動に関する補足資料を開示――上記セレンディップ案件の補足資料を同日開示。 資料
- のむら産業、東和グラビヤ印刷を子会社化――のむら産業が東和グラビヤ印刷を子会社化へ。(nihonma)
- ※以下は上記カテゴリで処理済みの案件と同一日発表のため参照情報として整理
- (識学・nihonma源)経営層向けコンサルティング事業の識学、プロバスケットボールクラブ運営子会社の福島スポーツエンタテインメントをK Asset Managementに譲渡――識学がプロバスケットボールクラブ運営事業子会社の株式を譲渡へ。maonline・nihonma双方で報道。
全体トレンド
2026年6月22日は「子会社化・買収」カテゴリが全体をけん引し、多様な業種にわたるM&A案件が集中した。製造業・食品(味の素のマレーシア完全子会社化提案)、IT・フィンテック(UNIVA・Oakのキャッシュレス決済企業買収、テラスカイのブリッジインターナショナルグループ株式取得完了)、エンタメ・投資(MIXIのグリーHDからのファンド運営会社取得)と業種横断的な動きが目立ち、国内グループ再編から海外拠点整理まで幅広い目的の案件が同日に出そろった。
グループ内再編・合理化という観点では、紀陽銀行による子会社カード2社の合併、エレコムによるアンテナ子会社2社の吸収合併・商号変更など、重複機能の集約を狙った統合が複数みられた。国内金融・製造業において「選択と集中」の圧力が引き続き強く働いていることが確認できる。またセレンディップが中堅・中小製造業の事業承継案件を同日2件開示(本体・補足資料)したことも、中堅企業の事業承継需要の高まりを裏付けている。
識学による福島スポーツエンタテインメントの株式譲渡は、コンサルティング企業によるプロバスケットボールクラブ運営からの撤退を意味し、本業回帰の動きとして捉えられる。ガイアックスによるクリエイティブ&マーケティング支援会社kokodearの子会社化は、ソーシャルメディアマーケティング領域での機能強化を目的としたボルトオン型買収として位置付けられる。こうした「コア事業への集中」と「隣接領域への拡張」が同日に混在する構図は、足元のM&A市場の成熟を示すものといえる。
Q&A
2026年6月22日のM&A速報で最も件数が多かったカテゴリは何ですか?
子会社化・買収カテゴリが最多で、味の素のマレーシア味の素完全子会社化提案、UNIVA・OakのユニヴァPAYCAST取得、MIXIによるグリーHDからのファンド運営会社取得、ガイアックスのkokodear子会社化、テラスカイのブリッジインターナショナルグループ株式取得完了、アンサーHDのダイナリィ子会社化、トーカイのQLCプロデュース子会社化など8件が該当します。
2026年6月22日の注目M&A案件を教えてください。
味の素<2802>によるマレーシア味の素社への完全子会社化提案、MIXIとグリーHDのファンド運営会社をめぐる組織再編(MIXIが子会社化、グリーHDが会社分割・株式譲渡)、エレコム<6750>子会社DXアンテナと日本アンテナの吸収合併・商号変更が特に注目されました。
2026年6月22日にTOB(公開買付け)の発表はありましたか?
6月22日の原データ22件の中に、TOB(公開買付け)の新規発表案件は含まれていませんでした。
識学が2026年6月22日に発表したM&A案件はどのような内容ですか?
識学<7049>は連結子会社の福島スポーツエンタテインメント(プロバスケットボールクラブ運営)の株式をK Asset Managementに譲渡することを発表しました。経営層向けコンサルティングを本業とする識学がスポーツ事業から撤退する形となります。


