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敵対的買収と友好的買収の違いとその特徴

M&Aとは

M&A(企業の合併・買収)には、「敵対的買収」と「友好的買収」という2つの主要な手法があります。これらは、企業買収における買い手と売り手の関係性や取引プロセスの性質によって分類されます。以下では、それぞれの意味や特徴、実例、メリット・デメリットを解説します。


1. 敵対的買収とは

敵対的買収(Hostile Takeover)とは、買収対象企業(ターゲット企業)の経営陣や取締役会の同意を得ずに実行される買収のことです。この場合、買収者は、経営陣の意向に反して、直接株主にアプローチしたり、市場で株式を取得したりして、企業の支配権を獲得しようとします。

主な手法

  • 株式公開買付(TOB):株式市場で公開買付を行い、多数の株主から株式を買い集めて支配権を取得。
  • 委任状争奪戦(プロキシファイト):株主総会での議決権を確保し、経営権を奪取するために、株主の支持を得る活動。
  • 市場買付け:株式市場で対象企業の株式を大量に購入し、支配権を得る。

特徴

  1. 経営陣の抵抗
    買収される企業の経営陣が通常、買収に反対するため、買収プロセスが対立的になります。
  2. 迅速な実行
    直接株主にアプローチするため、友好的買収よりも迅速に支配権を確立できる場合があります。
  3. リスクの高さ
    経営陣の抵抗や法的措置により、取引が失敗するリスクが高い。

実例

  • ライブドア vs フジテレビ(ニッポン放送株争奪戦)
    2005年、ライブドアがフジテレビを支配下に置くため、ニッポン放送株を大量に取得した事例が日本国内での代表的な敵対的買収として知られています。
  • 米国:カール・アイカーンによる企業買収
    著名なアクティビスト投資家のカール・アイカーンは、数多くの敵対的買収を成功させた例として知られています。

2. 友好的買収とは

友好的買収(Friendly Takeover)は、買収対象企業の経営陣や取締役会が承認し、合意の上で行われる買収です。この形式では、買収プロセスが円滑に進み、買い手と売り手の双方にとってのメリットが最大化されることが期待されます。

主な手法

  • 合意による株式買収:経営陣が同意し、株主との間で株式を売買。
  • 吸収合併や統合:経営陣が協議して、双方の企業を統合することで買収を進める。
  • 提携型買収:戦略的提携の一環として、株式の過半数を取得し支配権を得る。

特徴

  1. 経営陣の協力
    経営陣が買収に同意するため、プロセスがスムーズに進行します。
  2. 長期的なシナジー
    双方の企業文化や戦略が調整されやすく、統合後の成功確率が高い。
  3. 市場の好意的な反応
    敵対的買収に比べて、株式市場や取引先、従業員からの支持を得やすい。

実例

  • 日立製作所による日立化成の買収(2020年)
    両社の経営陣が合意し、技術革新を目的とした買収。統合後も事業拡大が進んでいます。
  • GoogleによるYouTubeの買収(2006年)
    GoogleとYouTubeの経営陣が協力して買収を円滑に進め、現在のような大成功を収めました。

3. 敵対的買収と友好的買収の比較

項目敵対的買収友好的買収
経営陣の同意同意を得ない場合が多い経営陣の同意のもと進められる
手法TOB、委任状争奪戦、直接交渉合意型買収、吸収合併、提携型買収
プロセスの円滑性抵抗が多く、紛争が起きやすい合意があるため、円滑に進行
リスク高い(法的措置や対抗策の可能性)低い(計画が立てやすい)
買収後の統合従業員や取引先からの反発が起こりやすい比較的スムーズに進行
取引のスピード時間がかかる場合も多い迅速に進むことが多い

4. メリットとデメリット

敵対的買収のメリットとデメリット

メリット

  • 経営陣の同意を待たずに迅速に買収を進められる可能性がある。
  • 潜在的に有望な企業を支配下に置ける。

デメリット

  • 経営陣や従業員の反発を招きやすい。
  • 買収防衛策(ポイズンピル、ホワイトナイトなど)が発動される可能性がある。

友好的買収のメリットとデメリット

メリット

  • 経営陣の協力を得られるため、統合後のシナジーが発揮しやすい。
  • 買収後の従業員や取引先の反発が少ない。

デメリット

  • 交渉が長引く場合があり、買収プロセスが遅れることがある。
  • 経営陣の同意を得るために高い買収額が求められる場合がある。

まとめ

敵対的買収と友好的買収は、それぞれ異なる目的や手法、メリット・デメリットを持つM&Aの手法です。敵対的買収は迅速性を重視する一方、リスクも高く、紛争に発展しやすい傾向があります。一方、友好的買収は経営陣の協力を得てスムーズに進むため、買収後の成功確率が高いとされています。企業がどちらの手法を選択するかは、目的や戦略、対象企業との関係性によって異なります。

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この記事を書いた人
MANDA編集部 森田

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